シリーズ新福祉国家構想3
後藤道夫・布川日佐史・福祉国家構想研究会編

2013年4月刊行

46版256ページ

税別2200円

日本の失業時保障の貧困を徹底批判。雇用保険制度の抜本改正と「求職者保障制度」の新設など、労働者の総合的な生活保障を提示。

目次

序章 高失業社会の到来(後藤道夫)

第1章 みえる失業・みえない失業――その歴史・現状と政策の課題(伍賀一道)

1 失業と半失業

2 失業政策の形成

3 福祉国家的失業政策の形成

4 戦後日本の失業・半失業と失業時保障の貧困

5 むすび

第2章 漏れのない失業時保障(小川洋・河村直樹・布川日佐史)

1 雇用保険制度の改革

2 第二のセーフティネットの諸課題

3 求職者保障制度の創設

4 生活保護改革の課題

補論1 ハローワークの現状と改編の課題(河村直樹)

1 ハローワークのになう役割

2 職員数の絶対的な不足

3 非常勤職員の急増

4 ハローワークの地方委譲という暴論

5 ハローワークの機能と体制の拡充の方向

補論2 雇用労働政策と公的扶助の交錯――ドイツの事例から(布川日佐史)

1 ドイツにおける失業時生活保障

2 就労扶助の展開

3 求職者基礎保障(社会法典II)の創設

第3章 失業時・勤労時の生活を支えるシステム――労働、居住、社会サービス、所得(後藤道夫)

1 労働規制――最低賃金規制と均等待遇の実現

2 失業時の社会保険料負担、税負担

3 他の世帯員の生活に必要な所得保障の諸制度

4 公的責任による居住保障と基礎的社会サービスの保障

第4章 近年の半失業と失業時保障(後藤道夫)

1 広義失業への着目と不完全就業の規定

2 「就業構造基本調査」を用いた不完全就業の推計

3 失業時保障の縮小と不完全就業・求職・非正規労働者の増加

終章 社会保障のすき間の拡大を許さないために(後藤道夫)

1 生活保障と逆行する「社会保障と税の一体改革」

2 生活保護制度の大幅な改革

3 失業時保障の抜本的整備に向けて――受給者数と必要額の試算

執筆者

編者・後藤 道夫(ごとう みちお) 1947年生まれ 都留文科大学名誉教授
編者・布川 日佐史(ふかわ ひさし) 1954年生まれ 法政大学教授
伍賀 一道(ごか かずみち) 1947年生まれ 元金沢大学教授
小川 洋(おがわ ひろし) 1968年生まれ 全労働省労働組合中央執行委員
河村 直樹(かわむら なおき) 1959年生まれ 全労働省労働組合中央副執行委員長

※肩書は刊行当時のものです。

書評情報

hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)2013年5月2日

『ふぇみん』2013年8月5日号

『週刊社会保障』2013年9月30日

岩井浩「不完全就業,労働不完全利用,限界的接触論の展開―ILO,EU(Eurostat)等での論議の紹介──」『経済統計学会 労働統計研究部会報 No.19』 (2013 年7 月30 日発行)  

蓑輪明子「本との対話 労働と貧困の現在と未来」『クレスコ』2017年8月号